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イノベーションのジレンマ 増補改訂版 (Harvard Business School Press)
イノベーションのジレンマ 増補改訂版 (Harvard Business School Press)
この本の書評・レビュー
『イノベーションのジレンマ』は、クレイトン・クリステンセンさん(訳は玉田俊平太さんら)による、「巨大企業はなぜ新興企業の前に力を失うのか」を解き明かした経営理論の名著です。
鍵になるのは、二つのイノベーションの対比。従来製品を着実に改良する「持続的イノベーション」と、価値の物差しそのものを塗り替える「破壊的イノベーション」です。持続的な改良が得意な組織こそ、破壊的な変化に対応できないという逆説が、本書の核にあります。
なぜそうなるのか。「すでに売上が上がっている事業が大きすぎて、顧客が望む以上に資金や人材を注ぎ込んでしまう」という指摘のとおり、優良企業の合理的な判断こそが、足かせになるというのが怖いところです。
読者の学びも深く、「最大の長所が最大の弱みにもなり得る」という気付きや、「文化とはプロセスと価値基準の集合体」という定義を得たと語る人もいます。強みが弱みへ反転する構造を、腑に落ちる形で示してくれます。
一方で「ハインドサイトなら『そりゃそうだよね』と言えるが、渦中でどう判断するかは全く別問題」という声もあり、理論を実践に移す難しさまで含めて考えさせられる一冊です。イノベーションの栄枯盛衰を知るために、ぜひ。

